福祉資源地域における福祉 2
役所が用意しうるものを行政資源とよぶことができますが、福祉資源を考える場合、この行政資源のみに頼るのは必ずしも地域で福祉社会を建設するのに十分ではないでしょう。
広く民間(住民)のなかに存する資源をいかに引き出すかを工夫しなければならないでしょう。
・・・というのも、いままでの社会福祉は、ごく少数の恵まれない、かぎられた人びとへのサービスという意味で「他人事」でした。
しかし、これからの福祉は、いつでもだれでもが必要な支援サービスを受けられるという意味で「自分事」であり、そのような「自分事」としての福祉を考えれば、地域のだれもが傍観者的態度をとれなくなるからです。
このような福祉観に立てば、役所以外に存在する福祉資源をいかに動員できるかは福祉政策の基本にもかかわる重要性をもっています。
もちろん、こうした民間資源の活用は福祉行政の経費を安くあげるためとか行政責任を民間(住民)に転嫁するためとか民間に行政の肩代りをさせるために行うのではないでしょう。
それは役所と住民が協働してしか創り上げることのできない新しい地域福祉社会の建設のためです。
もっぱら住民を受益者の立場におき、あるいは住民を一方的に楽にさせようとする自治体の行政は、一見してよさそうにみえます。
しかしその実、住民から自治の息吹(行政のあり方を批判できるとともに自らもできることを行うことで地域を担おうとする精神)を減衰させやすいのです。