「福祉サービス」の難しさ
福祉ニーズは、個別に多様に存在します。
同一条件の住民に対して同じようにきめ細かなサービスを供給することはできるでしょう。
しかし、個々の住民の個別の要望に応じることになれば、それは一見して温情あるサービスのようにみえるが、不公平をもたらすことになるからです。
もちろん、一定の範囲で現場の職員に裁量的判断とそれに基づくサービス内容の相違を認めることはできるでしょう。
しかし、それとて事前にサービスに違いがある理由を広く公表しておくべきです。
不公平な福祉サービスは住民の間に行政不信を招きます。
同じ公平さでも、すでにしばしば指摘されているように、老人ホーム等の施設に入所してサービスを受ける人ないしその家族と、施設に入所せずにあるいはできずに在宅で本人ないしその家族ががんばっている・・・
あるいは在宅で一定のサービスを受けている人との間には、受給できるサービスの点でも実際の経済的負担の点でも大きな差があり、在宅者のほうが不利になっているのではないかという問題もあります。
・・・しかし、法令用語の上で「収容」を「入所」に改めても、実質は収容施設に近い福祉施設で家族からも見離され人生の最後を送らざるをえないお年寄りがほんとうに幸せかどうか分からないでしょう。